
検察が証拠を明らかにしていれば無罪だったと考えられる――。40年前の「松橋(まつばせ)事件」で有罪となり約10年間服役した故・宮田浩喜さんが国と熊本県を訴えた国賠訴訟で熊本地裁は14日、検察の対応を違法と認め国に賠償を命じた。多くの訴えは退けられたが、公判での検察の証拠との向き合い方に一石を投じる判断に弁護団からは評価の声もあがった。
検察の対応を違法と認める鍵となったのは、宮田さんの起訴後に県警が見つけたシャツの布だ。
宮田さんは捜査段階で「古いシャツから切り取った布を小刀に巻き付けて男性を突き刺して殺害した。布は焼却した」と「自白」していた。殺害の凶器に巻き付けていたはずなのに、血液の付着がないとする鑑定結果もあり、検察に送られていた。
地裁は判決で、検察が宮田さ…